2010年1月26日火曜日

ザ・ビートルズ全曲バイブル

津野さんが図書館から借りてきた「公式録音全213曲の完全ガイド」と銘打った日経BP社から発売されている「The Beatles All Songs」を読んでおります。膨大なデータを整理し、コンピュータ解析など最新技術を導入して複雑なビートルズサウンドを分析しようと試みた編集者にまず敬意を表します。
ここから浮かび上がってくるのは、ビートルズサウンドというのは単にメンバー4人だけで作り上げたものではなく、録音に携わった全ての人間の想像力と集中力の賜物であるということ。さらに、4人が互いに刺激しあいながら、時には衝突し、時には協力し、音楽のプロフェッショナルとしての緊張感と、気心の知れた友人同士ならではの和気藹々とした雰囲気とが交錯した環境の中で、僕らが知っている数々の名曲が生まれたという事実を改めて確認できる内容になっています。
マニアにとっては細かいデータは貴重な資料かもしれませんが、僕にとってはむしろ曲が出来上がっていく過程や、作曲の動機などのエピソードに関心があります。なぜならそれこそがバンドを運営していく上で僕ら自身にもかかわりのある重要な部分だから。
ヘボであろうが天才であろうが、人間が集まって共通の目標に向かって行動する限り、どのようなステップで事を進めるのか、壁をどう乗り越えるのか、エゴをどのようにコントロールするのかということは同じようにふりかかってくる問題です。
ビートルズに関する書籍を読むときにいつも感じるのは、バンドを維持する難しさと表裏一体の、理屈抜きの楽しさです。「イエロー・サブマリン」のレコーディングでのほのぼのとしたエピソードなどはいい例だろうと思います。なんだかんだと問題の多かったゲット・バックセッションでも、ルーフトップコンサートのでの4人は楽しそうに演奏しています。ひとたび楽器を手にすれば、もう音楽の中にのめりこんでしまう、そんな4人なのではなかったのかと僕は思います。別の言い方をすれば、そういう「みんなが夢中になれる」音楽をやらなければバンドをやっている意味が無い、とも思うわけです。みなさんはどんなふうにお考えでしょうか。

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